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一日中寝っころがって借りた映画を観たおしてみた3 [映画]

秋刀魚の味(1962)
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何か特別なことが起きるわけでもなく
日常が淡々と描かれる中に
そっとちりばめられる無常観
淡々としてユーモアがあり飽きない

岡田茉莉子のキャラのブレなさの凄み
見ごたえのある東野英治郎の酔いぶり
杉村春子が登場した時には思わず
「出た」と口走ってしまった
加東大介の軍艦マーチは「社長太平記」と被って
それがまた面白い

小津作品を立て続けに観たら
「そうか・・・」「いやあ・・・」が口癖になってしまった


Pinocchio(1940)
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(「星に願いを」の星)
今やディズニーを代表する曲は、もともとこの映画のテーマである
Eパレ先頭のブルーフェアリーも、この映画である
観るきっかけは、先日の舞浜我が家の朝食だった
ピノキオは実は、シーの海(めでぃた(て)れーにや(あ)んはーばー)
の代表キャラなのだそうだ
ミラコのデザインもピノキオの舞台トスカナ地方にちなんでるらしい

で、観てみたらば、はいこれ大傑作文句なし
明日は来らず、風と共に去りぬ、パルプフィクション~の次だから4位ね
私のベスト4映画即決定である(ちなみにシェーンが5位)
これが1940年製作とかマジ勘弁な話スよ

舞浜行くならピノキオ観るのはマストである
そんな私は観ていなかったが
ほら、こうやって結局ちゃんと観ることになるのだ
これもデイズニーのマジックなのだろうか

大傑作にはもう一つ理由がある
現行ブエナビスタ版の日本語吹替版が
レジェンドだらけなのである
特に正直ジョンを演じた山田康雄
そう!ルパ~ンⅢ世の実力がどれほど凄いか
ヨダレをボタボタ落としながら(私くらいか)
観て聴いて堪能していただきたい
たかが吹き替え、されど吹き替えである
しれっと初代五右衛門も出てたりして
あまりの感激に
アマゾンでさっそくぽちった私なのだった

Toy Story of Terror(2013)
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これも期待を全く裏切らない
すこぶる良い出来の作品なのだが
いかんせん尺が短い
なのに高い
(これもディズニーマジックである)
声優陣に全く手を抜いていないことにも
大変好感が持てる
ボーナストラックにおける
永井、大塚そろい踏みは涙ものです


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一日中寝っころがって借りた映画を観たおしてみた2 [映画]

麦秋(1951)
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笠智衆の髪が黒くてフサフサぢゃないか!
その笠智衆が、白髪のおじいさんを
「お父さん」と呼んでるじゃないか!
その笠智衆の妹が原節子だったり
戦死した弟の嫁の母親が杉村春子だったり
二人とも「東京物語」では
笠智衆の娘だったぢゃないか!

平凡だが幸せな家族が
子供の結婚を機に崩壊目前
幸福の選択なのは確かなのに
選択結果のあまりの意外さに
皆の表情が沈んでいく
「秋刀魚の味」でも感じたが
この種の無常観を漂わすのが
小津流なのかなと感じた

誰もが死ぬときは一人ぼっちだから
無常がつきまとうことに違いは無いが
遺伝子を子孫に残すという義務を放棄した
(つもりはないが事実上そうなってしまっている)私は
唯一の家族をことさら意識する面はある
(母親の死がきっかけなのは確かだ)
もしかすると
小津監督自身がそうだったのかもしれない
(何の根拠もないので悪しからず)

そして私が結婚できないのは
やっぱりロマンチストだからなんだろうなぁ


Jimi: All Is by My Side(2013)
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ジミ・ヘンドリックス
史上最高のロックギタリストである
ギター小僧でなかった私でも知ってるし
年を取るほど曲も好きになってきている
だが夭折した彼の実像はほとんど知らなかった
だからこの映画を観てみた

伝記映画でオールドラマである
だから演奏も含めすべてがイミテーションだ
なのにそれでもジミヘンだけカッコいい
60年代の話で、それらしい場面が作られているのだが
彼だけが今観てもカッコいいのである
ギタープレイや楽曲だけじゃない
恰好、仕草、話し方、雰囲気、考え方
それらすべて、今から見てぜんぜんカッコいいのだ
いや、今観るからこそカッコいいのかもしれない
ジミヘンはいかに図抜けた存在だったかが
この映画を通じても伝わってくる
彼こそがホンモノ、彼こそがレジェンドと呼ぶにふさわしい

ついでだが
この映画でキース・リチャーズの恋人役だった
イモージェン・プーツという女優さんはキレイである


本日休診(1952)
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時代を超えたカッコ良さといえば
この映画での三國連太郎も同じである
特殊な役柄だが今観ても抜きん出てカッコいい
白黒のフィルムに固定された人々の中で
彼の姿だけ4Kテレビで観てるようだ

金持ち夫人と鶴田浩二のくだりは
おなかを抱えて笑ったし
佐田啓二のあまりにも軽薄な存在感は
まるでデビューの頃の中井貴一だし
「麦秋」とは全く異なる役柄で
淡島千景の女優魂を垣間見たし
岸恵子の顔がぱんぱんで
まるでアンパンマンみたいに可愛らしかったが

終戦直後の
街も人の心も荒み放題な加減に圧倒されてしまう
戦争は何もかも無茶苦茶にしてしまったのだ
無茶苦茶にされてもなお人は
日本人は、我々の先輩は立ち上がり今に至っている
この映画を観て
その源流を目の当たりにする思いがした

原作は井伏鱒二
私は傑作映画だと思いますが
おススメする勇気はありません


Pride(2014)
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レズやゲイの人を「LGBT」と呼ぶことを
炭鉱の労働運動をゲイが支援したという実話に基づく
この映画で知った
過剰な場面はまるでなく
ユーモアを忘れず真面目に前向きに
厳しい現実に立ち向かっていく人々を描くところは
「フル・モンティ」「リトル・ダンサー」など
炭鉱街を舞台にしたイギリス名画の伝統を
しっかり受け継いでいると思う

この映画のキーワードは
「プライド」である

プライドを持たない人間を
誰も尊敬しないし
プライドを持つ人間は
他人に敬意を払うだろう
「正義」や「平等」という用語を
大げさに振りかざすのではなく
自分が自分であることに誇りを持つこと
それを自他ともに認め大事にすることが
もっと大切なのではないかなと思った

相変わらず、根本的な解決にはならないけれど
良い映画が多いですイギリスは

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一日中寝っころがって借りた映画を観たおしてみた1 シェーン(米1953) [映画]


実はこれもケーリー・グラントつながりである
"The Talk of the Town"という日本未公開(戦時中)の映画があって
知られざるスクリューボール・コメディの傑作なのだけれど
このヒロインとしてチャーミングな魅力をまき散らかしていたのが
ジーン・アーサーという女優さんだ
好みのタイプではないし、特段美人だとは思わないのだが
なぜか、もやもやっと引っかかるものがあったところ
あの有名な「シェーン」に出ていたときいて(監督同じです)
これを機会にと観てみたのである

そしたらあなた! これが大傑作映画で涙ボロボロ
一言でいえば「超絶カッコいい寅さん映画」だ
そういえば、これも超有名なテーマ曲
”The Call for Far-away Hills(遥かなる山の呼び声)”も
「男はつらいよ」のテーマと、どこが似ているような気がする

この日本人好みの、義理と人情にあふれる
健さんみたいな超絶カッコいいオトコの運命を
やや年増感も出た、お母さんでもある役柄の
ジーン・アーサーが決めてしまうのである
それも握手一本で
イイオンナほどイイオトコを振り回すものだ
そしてオトコはつくづくバカである

翻訳の按配かも知れないが
主人公が「自分を変える」ことに肯定的であり
それができなかったことを正当化せず
「時代を道連れに去る」理由として受け入れるところ
その「時代」が、「銃に物を言わせる」時代なことが
偶然であるけれど今日的なテーマでもあり
時代を超えている点でも良い映画なのだと
しみじみした次第である

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東京物語(1953) [映画]

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自分の中で、オトナになったら実現したかったこと

  
  ・お蕎麦屋さんでお酒を飲みたい
  ・ウヰスキーの味がわかるようになりたい
  ・エトワールセト(夜行高速バス)往復じゃなくヒコーキ往復で東京行きたい

に並んで

  「東京物語」を観たい

があった
備後で暮らし始めた以上、マストな気がしていたのである
だが、実現には大きな壁があった
先に「明日は来らず」を観なければならない
それがつい先日実現したので
ようやっと、「東京物語」を観ることが出来た
社会人になって以来、ん十年越しのことだ
あっという間ではあったけれど

【ありがぁと】
思ったよりビンゴビンゴしていた映画だった
備後弁オンパレードだったからである
特に「ありがぁと」のイントネーションは
村上シスターズそのまんまである
また、やたら「そんなことはない」というのも
備後流なのかなと気づいた

【スカイツリー線】
私にとってスカイツリーはバカヤロー的な存在なのだが
なにかと縁があるのである
この映画の東京は
スカイツリー線(東武伊勢崎線)沿線(という設定)らしい
実はつい先日も乗って来たばかりなのだが
詳しくは後日

【え?山村聰!】
そのスカイツリー線の「堀切」駅近辺に住んでいるという
長男を演じたのが山村聰なのだが
私が知っているのは、恰幅の良い姿なので
全然気づかなかった
この映画での煮え切らない態度は
「明日は来らず」の長男と同じである

【ヨダレでる杉村春子】
広大附属福山高出身の杉村春子
その外連(ケレン)味のなさ加減が
まるで鬼のように、いやぁ凄い凄い
凄すぎて「いやんなっちゃうなぁ」である
「旨いなぁ」とヨダレを垂らしながら見とれてしまう

【原節子で泣かされるとはおもわんかった】
それに引き替えヒロインの原節子は
なんだかふわっとした芝居が続き
その意義に釈然としなかったのだが
大きな画面(スクリーン)で見直したときの
クライマックス「あたしズルいんです」での
目に溜まった涙を観て、全てが腑に落ちた
「明日は来らず」にない役を登場させた意味
そして、この映画が名作とされる理由が

【日本的とは何か】
「明日は来らず」が提起したテーマが
人生に限りがある限り、時代を超え国を超え
親と子の間にも存在する無常観―だとすれば
「ユーモア」や「希望」ではなく「諦観」
(あるいは「悟り」か)をもって答えた「東京物語」は
20年越しの、小津監督なりの
邦画としての立派な「回答」なのだと思う
そう考えると、「深いなぁ」「素晴らしいなぁ」と
しみじみせざるを得ないぢゃないですか
「東京物語」という映画も、もちろん尾道も

もちろん、「悟り」には程遠い私の好みは
「明日は来らず」なのだけれど

おまけ

【尾道の坂】
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駅から遠く離れた場所でも、尾道らしい坂がここかしこに転がっている
振り返れば尾道W大橋
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【尾道の井戸】
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偶然発見したひとんちの井戸

【尾道のぬこ】
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尾道歴ン十年の私に言わせれば
撮れそうで撮れないショット




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Make Way for Tomorrow 「明日は来らず」(1937) [映画]

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こんなにあざやかなラストシーンを見たことがない
これほど凄い映画を観たのは初めてである
私の中で長い間No.1映画だった「パルプ・フィクション」を超えてしまった
今、この瞬間、私のNo.1映画だ

【ストロングポイント】
1)テーマが普遍的であること
  ・80年前のアメリカも21世紀の備後福山も変わらない
2)予想外の展開でたたみかけてくること
  ・序盤・中盤・終盤で映画のジャンルが違う?
  ・緩急の巧みさ。特に終盤の猛烈な加速感と…
3)印象に残るラストシーン
  ・強烈に焼き付けられる残像
この3点はみな、かつて私のNo.1映画だった
「パルプ・フィクション」にも通じる点である

【この映画にたどりつくまで】
そもそもが「パルプ・フィクション」のディスク特典
監督タラちゃんがインタヴューで「赤ちゃん教育」を連呼
それが始まりだった
「赤ちゃん教育」→ケーリー・グラント→「めぐり逢い」→
「邂逅」→レオ・マッケリー監督→「我が道を往く」→
そして「明日は来らず」と、端折って書くとこんな感じだ

【レオ・マッケリー監督】
「邂逅」を観るまで、まったく知らなかった
「我が道を往く」で、硬軟強弱の織り交ぜ方が巧いなぁと思ったが
鬼のような凄みを感じたのは、自身が最高傑作と確信したという
この「明日は来らず」である(興業的には失敗したらしい)
超・名・大・監督である。間違いない

【東京物語】
海外からの高評価が続く邦画の名作の下敷きになったのが
この「明日は来らず」だということは、知識として知っていたし
観る動機にもなったのだが、実は「東京物語」自体
恥ずかしながら未見なので今は触れない

【これぞ女の生きる道…といったら怒られるかなやっぱ】
終盤クライマックスのシーン
特に老母が詩を詠むあたり
これから結婚する女性には特に
是非とも観ておいてほしいものである
「愛」こそ「人生」そのものなのだなぁや

【おまけ】
この映画で、煮え切らない長男を演じた役者さん
スカーレット・オハラのおとーさん役だった人だそうだ
(気付かなんだ…)
そのほか「駅馬車」「スミス都へ行く」「素晴らしき哉、人生!」
それになんとあの「ハイ・ヌーン」まで出てるってよ…
口あんぐりな気分である

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バックコーラスの歌姫たち(2013) [映画]

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あと20フィート(6m強)までのところで
一流になれなかった歌姫たちを描いた
実によくできたドキュメンタリー映画である
よくこんなの撮ってたなあという映像が満載で
音楽好きの人にはたまらないだろう

一流になれなかったのは、スティングが言うように
「公平な勝負で決まるわけではない」からである
そして
「自分を見失い現状に甘んじていると
どんな女性も消耗してしまう」のだ

これってショービジネスの世界に限らず
あるいは女性や黒人に限ったことではない
われわれの世界も同じなのではないだろうか

テレ東の番組で日本の職人(中の職人)が
「技術なんて長く続けていれば勝手に身につくんです」
「長く続けることが難しいんですよ」
と言っていて、そのそっけなさ格好よさに
またまた涎を垂らす思いだったのだけれど
”自分を見失わず、現状に甘んじることなく”
「長く続けていくこと」が大事なのだなと
そして
それができる人は、もう一流なのではないかと
「修証これ一等なり」の思いを強くする

ところで、映画の中で
印象的に使われていた
ローリング何がしの曲「ギミーシェルター」について
興味深い映像(?)があったので紹介する


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我が道を往く(1944) [映画]

題名からは予想もつかない
地味な内容である
劇的な展開はほとんどない
人の世の、人生の悲哀を
軽快なユーモアで楽しませながら
前向きに受け入れていく
実に「じわっと来る」のである
この監督の真骨頂だ
特に「間」
クセになりつい何度も観てしまう
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ビング・クロスビーの低く深い歌声が
心にやさしく染み渡る
「きよしこの夜」など
初見の父がいきなり一緒に口ずさんだほどだ
フィッツギボン神父を筆頭に
登場人物も魅力にあふれている
同じ題名の挿入歌が劇中で披露されるものの
正直出来がイマイチなのであるが
それを「落ち」で使ってしまうところに
この映画の質の高さを感じる
こんな名作を大戦中に作ってしまう
つくづくそんな国を相手に
戦争なんかするものではない


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邂逅(1939) [映画]

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レンタルを観終わった直後
実に良い映画を観たなと
久しぶりにしみじみした
その後欲しくなったDVDをぽちったアマゾンのコメントで
全く同じことを書いてる人がいて笑ってしまった
淀川長治は冒頭の解説でネタをバラしながら何度も
「キレイな映画」と表現していた
(なので映画鑑賞後に見ることをおススメする)

大人の恋の話である
だからこそ
邦画みたく陰々鬱々だったりドロドロとかしていない
劇中のヒロインの言葉が象徴している

人生はロゼ(ピンク)シャンパンのように軽やかに

もちろん人生も恋と同じで
喜びはほんの一瞬
あとのすべては苦しみや悲しみや切なさ
なのだろうけれど
きっと真剣に人生(恋)を生きている人ほど
それをあからさまにしないのだ
言葉にはせず笑顔のまま
口の端を一瞬ゆがめて見せたリする
それで伝わるのである
そりゃ、いろいろあるよと
いろいろあっても、そうするだけの価値があると
言葉ではなく体現しているのである
「粋」である
それも命がけの

劇中で歌われる「愛の喜び(Plaisir d'Amour)」

言うまでもなくプレスリーの
「好きにならずにいられない」の原曲である

しかし、この映画にまで
ニューヨークのクリスマスが登場するとは
思いもよらなかった
しかも街の雰囲気がシーのアメフロそのままである
(船のシーンはコロンビア号だ)
だから、この映画の中で流れている時間と
自分の知ってるシーの時間がシンクロして
心臓方面に迫ってきて仕方がない私なのだ

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ベイマックス: 福山で楽しむ極上アトラクション [映画]

初見は福岡、正月に家族と観た
2D字幕版だったのだが
迫力のあるアクションシーンが多く
是非3Dでも観たいと思ったのだ
そのときは4DXまでは想定していなかったのだが
せっかく福山で観れるんだし、送迎バスもあるし、休日だしぃ

で、行ってみたのである
コロナのHPで時刻表を調べ
福山駅北口から送迎バスに乗りこんだ
女子中高生グループや
若いカップルだらけだった
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窓までラッピングされた車内は薄暗く
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とても遊びに行くとは思えない
押しつぶれた気分になる

20分くらいで到着したコロナは遊技場だらけ
真面目でぼっちな私には居場所が無く
きっぷを買っていきなり3Dメガネを渡されてからは
(4DXは1300円余計にかかる)
入場時間まで大人しくベンチで待った

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4DXの部屋は、席数が
一番前のAからGまでの7列しかなく、横方向が多い
普通より大きいシートなのに番号が足元だけで
しかも極端に小さくてわかりづらかった
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シートベルトを探したが見当たらなかった
座った途端係員がやってきて
ポップコーンのバスケットは席に置けないと案内して回る
隣のカップルにーちゃんは仕方なく
バスケットを片手で持ち上げながら急いで食べていた

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覚えていた以上に全編にわたって
スピード感のあるアクションシーンがあり
その動と静、ギャグとシリアスの緩急が絶妙で
映画館では滅多に泣かない私が
場所もわかってて心構えしていたにもかかわらず
初回に続いて泣いてしまう寸前までいった
席が動き、傾き、振動し、風も吹いたりする4DX
(熱が無いのがつくづく惜しい)を味わい尽くすには
うってつけのスーパーヒーロー映画である
観客はきゃっきゃと歓声を上げながら楽しんでいた
4DXで観れば、USJのダーマンやランドのスタツアにも迫る
極上のアトラクションである(言い過ぎか)
シーの2万マイルやストームに並ぶよりは
価値があるんじゃないかな(言い過ぎか)
テケツ売場前のベンチでポプコーンをほおばりながら開場を待ち
丸腰で一文字アトラクションを思い切り楽しみませう

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6人の中で一番印象に残ったハニーレモン
癒し系で手が大きいのがすこぶる良い

なお21日からは「アナ雪」が4DXで再上映されるとのことです

おまけ

映画が終わったら終バスまで1時間あった
ここぞとばかり大人力を使い三吉町の大黒屋さんへ
いい気分だったから飲みたかったのである

2015年度玉子焼きNo.1を早々と決めた「山菜入り玉子焼き」
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まあ一度、食べてみんさいやあ

おとうさんが「濃いよ」というくらい濃くて旨い蕎麦湯
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これと割り子ばっかりは
まだまだおとうさんにはかなわないようだね>駅前


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アパートの鍵貸します(1960) [映画]

年末に借りて里帰りしたら
偶然、年末の物語だった
ストーリー、脚本、俳優、芝居、音楽、演出
どれもが100点満点の完璧な映画である
描かれているのは宇宙でもなくジャングルでもなく
古代ローマ帝国でも未来でもない
主人公は現代社会の1サラリーマン
日常中の日常風景、よくある痴話話である

【日常に神が宿る】
特にセリフは世間話に近く、スピードも早いので
字幕が追い付けないほどだ
その何気ない「普通の」会話が絶妙に重なり
ストーリーにどんどん深みを増していく様は
まるでバッハのフーガのようであり
「パルプ・フィクション」のようでもある
ヒロインを一般家庭で治療するシーンなど
この映画をリスペクトしてるに違いない

【ジャック・レモン】
セリフだけではない
流れるような手振りやしぐさなど
細かい演技に見られる日常性は
神がかりといっていいほどだ
これに表情や発声の抑揚
さらにコミカルな要素などを
一から創作したのだと思えば
この俳優の凄さには舌を巻く
本物の俳優である
ちなみに冒頭での独り夕食のシーンでは
「傷だらけの天使」のショーケンを思い出した
絶対影響を受けていると思う

【シャーリー・マクレーン】
2013年の映画LIFE(The Secret Life of Walter Mitty)で
80歳を目前にしてのその女子力に驚いたものだ
25歳時のこの映画では
登場シーンからオーラの違いを見せつけるが
圧巻はクライマックスでのあの笑顔である
いや、言い間違えた
あの笑顔こそがこの映画のクライマックスである
懸命に駆ける美少女の笑顔にかなうものなし

【皆まで言わない】
日常会話をまくし立てるような映画だが
肝心なことはいちいち言わない
男と女のことについては
暗黙の了解なのがいい
その共通認識の上に立って
お互いがお互いの立場で瞬時に行動する
主人公の場合、お人が良すぎて
さらに誤解を招き窮地に立つのだが
相手を思うからこそのその行動に
ヒロインだけでなく、観てる観客も
心を動かされるのである
こういうのを「粋」っていうんだろう

【ラストシーン】
それでも男は、好きな人には言わずにはいられない
それを女は軽くたしなめるのである
わかってるからこそ、でしょ?と
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平凡でいまいち盛り上がりに欠けるように見えて
含蓄に富んだ最高のラストシーンである

【たったひと言】
主人公とヒロインの心情や行動も
絶妙に時間をずらして折り重なって行く
その手際がまた実に見事だ
しかし、私にとってのこの映画の価値を
決定づけたのは、ひと言の、このセリフ

  That's the way it crumbles, cookie-wise
  (That's the way the cookie crumbles)

の、日本語訳である

  世の中なんて、そんなもの

みたいな感じではなくて

   成り行きだからね

とずばっと訳したのが
あまりにも凄すぎて唸ってしまう
この言葉が登場するたび
しみしみする私なのである
 





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