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一日中寝っころがって借りた映画を観たおしてみた2 [映画]

麦秋(1951)
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笠智衆の髪が黒くてフサフサぢゃないか!
その笠智衆が、白髪のおじいさんを
「お父さん」と呼んでるじゃないか!
その笠智衆の妹が原節子だったり
戦死した弟の嫁の母親が杉村春子だったり
二人とも「東京物語」では
笠智衆の娘だったぢゃないか!

平凡だが幸せな家族が
子供の結婚を機に崩壊目前
幸福の選択なのは確かなのに
選択結果のあまりの意外さに
皆の表情が沈んでいく
「秋刀魚の味」でも感じたが
この種の無常観を漂わすのが
小津流なのかなと感じた

誰もが死ぬときは一人ぼっちだから
無常がつきまとうことに違いは無いが
遺伝子を子孫に残すという義務を放棄した
(つもりはないが事実上そうなってしまっている)私は
唯一の家族をことさら意識する面はある
(母親の死がきっかけなのは確かだ)
もしかすると
小津監督自身がそうだったのかもしれない
(何の根拠もないので悪しからず)

そして私が結婚できないのは
やっぱりロマンチストだからなんだろうなぁ


Jimi: All Is by My Side(2013)
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ジミ・ヘンドリックス
史上最高のロックギタリストである
ギター小僧でなかった私でも知ってるし
年を取るほど曲も好きになってきている
だが夭折した彼の実像はほとんど知らなかった
だからこの映画を観てみた

伝記映画でオールドラマである
だから演奏も含めすべてがイミテーションだ
なのにそれでもジミヘンだけカッコいい
60年代の話で、それらしい場面が作られているのだが
彼だけが今観てもカッコいいのである
ギタープレイや楽曲だけじゃない
恰好、仕草、話し方、雰囲気、考え方
それらすべて、今から見てぜんぜんカッコいいのだ
いや、今観るからこそカッコいいのかもしれない
ジミヘンはいかに図抜けた存在だったかが
この映画を通じても伝わってくる
彼こそがホンモノ、彼こそがレジェンドと呼ぶにふさわしい

ついでだが
この映画でキース・リチャーズの恋人役だった
イモージェン・プーツという女優さんはキレイである


本日休診(1952)
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時代を超えたカッコ良さといえば
この映画での三國連太郎も同じである
特殊な役柄だが今観ても抜きん出てカッコいい
白黒のフィルムに固定された人々の中で
彼の姿だけ4Kテレビで観てるようだ

金持ち夫人と鶴田浩二のくだりは
おなかを抱えて笑ったし
佐田啓二のあまりにも軽薄な存在感は
まるでデビューの頃の中井貴一だし
「麦秋」とは全く異なる役柄で
淡島千景の女優魂を垣間見たし
岸恵子の顔がぱんぱんで
まるでアンパンマンみたいに可愛らしかったが

終戦直後の
街も人の心も荒み放題な加減に圧倒されてしまう
戦争は何もかも無茶苦茶にしてしまったのだ
無茶苦茶にされてもなお人は
日本人は、我々の先輩は立ち上がり今に至っている
この映画を観て
その源流を目の当たりにする思いがした

原作は井伏鱒二
私は傑作映画だと思いますが
おススメする勇気はありません


Pride(2014)
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レズやゲイの人を「LGBT」と呼ぶことを
炭鉱の労働運動をゲイが支援したという実話に基づく
この映画で知った
過剰な場面はまるでなく
ユーモアを忘れず真面目に前向きに
厳しい現実に立ち向かっていく人々を描くところは
「フル・モンティ」「リトル・ダンサー」など
炭鉱街を舞台にしたイギリス名画の伝統を
しっかり受け継いでいると思う

この映画のキーワードは
「プライド」である

プライドを持たない人間を
誰も尊敬しないし
プライドを持つ人間は
他人に敬意を払うだろう
「正義」や「平等」という用語を
大げさに振りかざすのではなく
自分が自分であることに誇りを持つこと
それを自他ともに認め大事にすることが
もっと大切なのではないかなと思った

相変わらず、根本的な解決にはならないけれど
良い映画が多いですイギリスは

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