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Kick-Ass 2 [映画]

20140916kickass2.jpg

R15+(成人指定一歩手前)は伊達じゃないのである
グロ・バイオレンスシーンの濃さと言葉遣いの下品さは
かなり酷かった前作をも超える勢いだ
スプラッター系に慣れていない人が鑑賞する場合
相当の覚悟が必要であり
ネタをネタとして楽しむ大人の分別と
客観的で冷静な判断力が要求される
家族と一緒に観るものでは決してない
(そんな家族があったら見てみたい)

とはいえ
ハチャメチャでやりたい放題だった1作目に比べ
鑑賞に堪えうる本格的な映画になったと思う

何より登場人物の内面を
丁寧に描写しているのだ
演じている役者さんたちの
子供でも大人でも
あったりなかったりする年頃の
若々しく曖昧な戸惑いと躊躇が
登場人物と重なる処が魅力である
これはヒロインだけでなく
主な登場人物に共通している

また重なるといえば
主人公たちの苦悩や
巻き込まれていく周りの人々の姿は
まさに今のイラクの混乱をまねいた
アメリカという国にさえ重なって見えてくる
世の中は少しは良くなったんだろうか

  人の首を切断した奴を誰が止めるの?
  They cut a guy's head off.
  Who else is going to stop them?

ヒロイン・ミンディの訴えるような声が耳に残る

また予算が1作目より少なかったらしく
(大作の食事代くらいだそうだ)
各所に手作り感が出ているのもいい
その一方で、録音技師が
レミゼでオスカーを取った人だったり
スタントが、ボンド映画や
バットマン映画に出た人だったりと
スタッフも優秀だ

evilな存在に圧倒される現実の中で
お手製のスーパーヒーローたちが本気で戦う
本作で本気になったのだ
お下劣なギャグてんこ盛りのテンポの良さの一方
陰惨な場面が存在するは必然なのだろう
そんなおバカで下品でぶっとんだ低予算映画を
優秀なスタッフ・キャストが真剣に懸命に
一場面一場面作りあげているその姿勢が
登場人物の弱さや繊細さを
さらに際立たせている気がする
そう、弱くて繊細だからこそ

  自分の人生を生きなきゃいけない
  This is your life.
  You've gotta live it.


興業的にいまいちだったとしても
コアな1作目のファンが離れていったとしても
その1作目を私に見返させたこの2作目を
私は高く評価したいと思う
いつか3部作揃った暁には
GWTWに匹敵する名作になるかもと
予感させるのである

補)
・この映画のディスクにある特典映像は
 作りが大変丁寧で見応えがある
・特にコメンタリーは、この作品に対する見方が
 変わるくらい楽しいので必見だ
・そのコメンタリーで考えさせられたのは
 役者さんも信頼関係が大事ということであった
・吹替ではまさかのメリーポピンズ・バートに再会
・1作目鑑賞は絶対条件

予告編


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