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黒い十人の女(1961) [映画]

シナリオを先に読んでから映画を見たのは
これがはじめてである
20131014blackwomen.jpg
きっかけは「誰かが風の中で」という歌だ
作詞した和田夏十は市川崑夫人で
「日本有数の」脚本家である

傑作であり快作であり怪作だ
あまりにもの凄いので観ながら笑ってしまった
一番もの凄いのは和田夏十の奥深さであるが
感じることはできても理解には程遠いので
ここで触れることができない

分かりやすいもの凄さでいえば
やはり女優陣だろう
山本富士子、岸恵子、宮城まり子、岸田今日子…
その貫禄というか存在感たるや、圧倒されまくりである
中村玉緒だって、今の玉緒さんとは全然違う
登場する女性が皆カッコいいのである
(愛らしく滑稽でもある)
それに比べて男性人の情けないこと
のちの伊丹十三監督にいたっては、チョイ役だ

ストーリーも奇想天外
本来なら、ドロドロでぐちゃぐちゃな愛憎劇になっても
おかしくない内容なのに
きわめて軽快なブラックコメディに仕上がっている
シナリオの確かさ、演技力の巧みさで
男女の愛情の不合理さがよく表現されている

    メカニズム(私注:「組織」と言い換えていいと思う)の中で、
    時間においかけられながら自分をフルに使って勝負するのが
    現代人の生き方だと思いますけど

和田夏十は、時代に先んじていたといわれるが
そのことがよく理解できる
 
    誰にでも優しいってことは、誰にも優しくないってことよ

その後の漫画やテレビドラマで幾度も目にし耳にするこのセリフは
この映画がオリジナルなのだそうだ

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