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家族旅行2012夏 #4:真鍋島 [お出かけ]

【潮目】
今回の海旅では
「目からウロコ」な体験がたくさんあったのだが
そのキーワードのひとつが「潮目」であった
この旅の終盤で再び訪れた鞆で
ガイドさんがひたすら強調したのも「潮目」
速さの違う海の流れがぶつかり合う場所が
良い港となり、海上交通の要の地となる
潮の流れにのって進む船が
その向きが変わるのを待つ潮待ちの港として
鞆が古くから栄えてきたわけだ

【大飛島】
その日の朝
その鞆をそそくさと出航した我々が向かったのは
備後の南の海に浮かぶ島々、岡山県の笠岡諸島である
まず最初に訪れた大飛島(飛島:ひしま)付近も
瀬戸内海の東西の潮が離合する場所として
往来する船がこの地で潮待ちをしていたらしい
また過去には、兄弟島である小飛島(こびしま)に向かって
砂洲が伸びるという不可思議現象もあり
交通の要としても、信仰の島としても重要な地だったという

上陸した私たちを出迎えたのは
廃校になった小学校と
その中で遊ぶ島の女の子が2人
じりじりとした暑さの中で時間が止まったような
静かでわびしい光景だったけれど、実は
壮大なスケールの景観と歴史的背景を秘めた島だったのだ
http://www.pref.okayama.jp/kikaku/chishin/ritou/19hishima/index.html

【真鍋島】
次に訪れたのは真鍋島
数多くの映画のロケで使用された中学校がある
「歴史と映画の島」である
本浦港に入港したものの、たまたま桟橋に先客(船)がいて
予定とは離れた場所に降ろされた我々は
まずベースキャンプとなる無料休憩所に向かった
といっても歩いて5分もかからなかった
20120808manabegangi.jpg
(雁木のある風景)

20120808manakotti.jpg
(「しまべん」で有名なマナコッチハウス)

我々は港からすぐの喫茶兼待合所
冷房の効いている「潮待ち茶屋 五里五里」にひとまず落ち着いた
前日まで異常な大雨が降り続き
山口では新幹線が止まってたにもかかわらず
当日は朝からとにかく暑い日で
年寄りの多い我々ツアー一行はすでにへばっていた
これから2回、希望者をつのって
5分弱の距離にある真鍋島観光の目玉
「真鍋中学校」にアタックするという
結局、大台に乗った年寄りのいる我々家族だけが
一度もベースキャンプを出ることなく
アタック隊の無事帰還を待つことになった

その1時間強のあいだ
アイスコーヒーを飲みながら休憩していると
喫茶ボランティアの島おばちゃんが
一冊の本を持ってきた
フランスの画家フロラン・シャヴェが色鉛筆で
現代の真鍋島の生活を精密に描いた、その名も
Manabeshimaというペーパーバックの画集である
http://www.amazon.fr/Manabeshima-carte-Florent-Chavouet/dp/2809702136
結局一時間と少しのあいだ
待合所でその本を眺めていただけ
なのになぜか、真鍋島の魅力に取り付かれていた
説明のしようのない、その魅力

20120808manabeshima.jpg
右下には鳥、サギかな?
その上に船のへさき
石積みの波止の向こうには大島の影
私が撮った本浦港のこの中途半端な写真に
私の感じた真鍋島の魅力が現れている(と思う)
日常の中の非日常
ほっこり、ゆったり島時間
潮風の香る、その流れが心地いい

20120808manabematiaisyo.jpg
(船の待合所兼資料館の手作りポスター)

20120808manabemap.jpg
(フロラン シャヴェ氏による手書き地図)

真鍋島まで来たのに
どこにも行かなかったのに
この島が好きになった
絶対また来ようと思いながら船に乗り込んだ
 
 
岡山県笠岡市真鍋島


笠岡港から高速船で44分
>http://www.pref.okayama.jp/kikaku/chishin/ritou/18manabeshima/index.html
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