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英国王のスピーチ(日本語吹替版):お父さんつながりで [映画]

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イギリス連邦の女王エリザベス2世が
即位60周年を迎えた本年
かの地では6月2日からの4日間にわたり
祝賀行事(Diamond Jubilee Celebrations)が開催された

女王エリザベス2世が即位する前は
お父さんであるジョージ6世が国王だった
ウィキによれば
生真面目で誠実な性格だった一方
病弱で内向的
特に重度の吃音症に悩まされていたという
この映画は
「英国史上もっとも内気な国王」だった彼が
即位する前
まだヨーク公アルバートだった頃に出会った
セラピスト兼俳優のオーストラリア人
ライオネル・ローグの治療によって
次第に吃音障害を解消していくという
史実に基づいたおはなしである

【イギリス(的な)映画】
イギリス人は
どんなときでもユーモアを忘れないそうだ
厳しい状況であればあるほど
ユーモアで乗り越えることができる
ユーモアが力を与えるのだ
かの地の映画もそんな感じ
現実離れした夢物語ではなく
現実を前に立ちすくむ人を
ユーモアが勇気づける
「アバウト・ア・ボーイ」
「ラブ・アクチュアリー」
「フル・モンティ」
「リトル・ダンサー」
私はイギリス(的な)映画が大好物なのだ

【赤の女王】
主人公を支える王妃
エリザベス・ボーズ=ライアンは
女王エリザベス2世のお母さんであり
しかも同名であるのだが
おおらかな性格で人気があったらしい
第二次世界大戦中の言動で英国人の士気を高め
あのヒトラーから「ヨーロッパで最も危険な女性」
といわれたほどの人なのだが
ヘレナ・ボナム・カーター演じるこの妃殿下様が
たいそうチャーミングである
主人公であるダンナだけでなく
この映画を支えている存在といってもいい
特に冒頭、セラピストのローグを訪ねるシーン
セリフのやり取りが洒落ていてめっちゃカッコいい
   ローグ「つまり、私の事も、敵と…?」
   妃殿下「そうなりますね、無作法のままでしたら…」
そして微笑む、一瞬の笑顔の魅力的なこと!
演じているこの女優さんは
ティム・バートンのパートナーであり、なんと
「アリス・イン・ワンダーランド」の頭でっかち残酷女王
赤の女王イラスベスを演じた役者さんだったのだ
吹替の声がまたいい
大人で落ち着いていて品がある
この声がすさまじい相乗効果をあげている
この声優さんは、驚くなかれ
ちびまる子のおばあちゃんの声の人でもあるのだ
やはり日本語吹替の魅力は深い
文化といってもいいくらいだ
キテレツな表情をしたなんちゃってトップアイドルを
事務所都合でごり押ししてよい世界ではない

【キャプテン・バルボッサ】
声といえば、主人公の吃音を治療した重要な役
ライオネル・ローグの声は
「パイレーツ・オブ・カリビアン」のバルボッサと同じである
これは大切なことであって
ジェフリー・ラッシュという役者さんは
あの声でなければ違和感ありまくりなのだ
同じ人が演じることによって
バルボッサと同じでありながらバルボッサと全然違う
ジェフリー・ラッシュの演技の凄みを感じることができる

【レクイエムとしてではなく】
ゲイリー・オールドマンがベートーベンを演じた
「不滅の恋」という映画で私は交響曲第7番を知った
レクイエム的に使われた第2楽章を特に気に入り
CDを買って聞いてみたら、ほかの楽章まで好きになった
ところがその後「のだめなんちゃら」という軟派なドラマで
第7番がおおはやりしてしまった
以来なんとなく聞きにくくなってしまったのだ
その交響曲第7番の
しかも「のだめなんちゃら」関連では無視され
映画でもせいぜい
陰気くさい場面にしか使われない第2楽章が
この映画のクライマックスで使われたのである
わが意を得たりとはこのことだ、そうこなくっちゃ
静かで深い旋律だからって
レクイエムにばっかり使ってんじゃねー!
野球の応援のように
ぶんちゃか景気良く鳴らせばいいってもんじゃねー!
大人が困難に立ち向かってる時にこそ
こういう淡々とした美しい旋律がふさわしいのである
モーツアルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」でもそうだが
覚悟を決めて物事にあたるとき、人は必死になる
その場面にこそふさわしい音楽なのである

主人公を演じたコリン・ファースにしてからが
「ラブ・アクチュアリー」や「マンマ・ミーア」などで
私にはお馴染みの役者さんだ
この映画は役者から声優から音楽から何から何まで
私好みの映画であることは間違いない
 
※日本語吹替でご覧になることをお勧めします 今更ですが(笑)
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