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隠し砦の三悪人(1958) [映画]

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【リアリズム】
おそらく
太平洋戦争の体験からだと思うが
まるで傷口に塩を塗るかのように
極限での人間の醜さや卑しさを
身もふたもなくあからさまにするところが
戦争直後の邦画
特に黒沢映画にはあるような気がしていた
迫力満点群衆シーンのオドロオドロしさも然り
その流れで、味方であっても
たとえ主人公だろうが簡単に死んでしまう
だから最後までハラハラさせられた
この映画ではそれらの要素が
すべて突き抜けていて
非常に大きな魅力となっている

【姫中の姫】
ヒロインの雪姫を演じた上原美佐は
(なーんと福岡市出身)
発声が一本調子でぎこちない
でもなんというか
凛として近寄りがたい美しさは
少なくともその瞬間に
特別な存在であることを感じさせる

え、出てこないままでいいの?
弱いものを何度も陥れるような
そういうことが通用するの?
させていいの?

人として最低の振る舞いが
公前と繰り広げられ
何が悪い最初から名乗ってるだろうと
開き直られる昨今
絶望的な状況にあっても
百戦錬磨の屈強な男どもと
尋常でない気高さで呼応しあう姿に
確かに雪姫は上原美佐以外なしと
納得させられるものがある

たとえ御姫様役であっても
いや、そもそも女優さんは本来
若くてお顔が整っていて
スタイルもよければいい
っちゅーもんではないのだと
勇気づけられた
与太者の愛人フゼイなど
もう見たくはないのである

【セカイノミフネ】
強烈な眼光の鋭さ
圧倒的な存在感
いまさらながら、この映画で
三船敏郎のファンになった
ウィキで人となりを知り
ますます惚れてしまった
「男は黙って」なんだけれども
この人はもっともっと評価されていいと思う


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