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空母零(ゼロ)戦隊:バイアスのかからなさ具合が名操縦士の証 [読書]

相変わらず「永遠のゼロ」をまだ読んでいない私が
「永遠のゼロ」を読むために読んだ本だ
「壬生義士伝」「大空のサムライ」そして今回が3冊目である

戦記を読むのは難しい
過酷な環境、異常な精神状態
思想信条、国家観
ときには物欲や名誉欲が絡んだ上
すべてが青春の思い出として語られる
バイアスがかかりまくりで
たとえ最前線で戦った人の話でも
まったくの真実とみなすのは危うい

ただ、これだけは言える
言葉は美しく飾られるほど心に届かなくなる
逆もまた真である
そして優秀な戦闘機乗りであればあるほど
飾り気がなく率直な人が多い
自分を見失わず自分に酔わず
常に冷静に、見るべきものを見ている
この本の著者もそうだ
若手からゴッドと呼ばれたほどのゼロファイターで
中国大陸上空での零戦初の空戦に参加した一人でもある
太平洋戦争当初は教官として
激烈悲壮を極めた戦争後半は最前線の死の淵で
一度も被弾することなく戦い抜いた

岩井 勉「空母零(ゼロ)戦隊」(文春文庫)
20131002iwai.jpg
ゼロ戦で戦うこととあの戦争の雰囲気が
理屈抜きに伝わってくる名著である
当時特攻基地を訪れた家族のエピソードなど
この著者ならではの視点も素晴らしい

    今、国分基地は、厳しい軍律のなかでの特攻作戦と、
   プライベートの人情とが渦を巻いている。日本がどん底に
   追いつめられた縮図でもあったのだった

「永遠のゼロ」を読む前に、是非
 
 
    ☆   ☆   ☆
 
 
(追記)
思いつきなのだが、タイトルの「空母零(ゼロ)戦隊」
空母がゼロ(=無い)という意味じゃないかと、ふと思った
本来は海軍パイロットで空母艦載機部隊の所属なのに
帰るべき空母がどんどん沈められ
無くなってしまったからである


 
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